2009年6月15日 星期一

『対岸の彼女』読後感

上級後期文章選讀的期末讀書心得。

『対岸の彼女』を読み終わり、小夜子の「何のために年を重ねるんだろう」という問いがずっと気になっている。生物学から見れば、それはすぐ答えられる質問だが、人間一人一人の人生からすると、自分の答えを見つけないと、本当に生きる力や希望を失ってしまう。

人は皆、今のままの自分になったのは、今までの出会いを通して成り立ったのだろうと私は思う。騙されることによって、人は人を信じなくなる。けれど一旦信頼できること、あるいは信じられる人が見つかれば、後ろに支えの力が感じられ、どんな困難な状況においても乗り切れるのだ。小夜子は、自分と同い年だが、経験と立場が全く違う葵と出会ったことによって、自分の人生を思い直し、最後に葵の会社に戻る。若いごろの葵も、もともと学校のグループからはじき出されるのを怖がっている気弱な高校生だったが、ナナコと出会って、初めて自分の大切さを知り、「大事なものさえあれば怖がるものはない」というナナコの信念を考え始めた。

高校生の葵はナナコと出会ったことによって大人の葵になった。小夜子は大人の葵と出会ったことによってもう一つの自分を見つけた。私たちの人生はまさに連鎖のように繋がっている。誰かの影響を受け、今の自分になり、また次に出会う人にその力を与え、変化させる。世界はこういった繋がりによって、様々な価値観、生き方が生まれ、パワフルで豊かである。もちろん、実社会では、その繋がりの影響と力はいい面もあれば、悪い面もあるが、「変化」ということ自体が、足踏みではなく前へ進んでいるということを示している。

個人の人生から見れば、いろいろな出会いを通じて、こんなに違う生き方もあるんだと、自分の中で今まで持っていた考え方と化学作用をし、その中から、自分の理想像に合う生き方を探し出し、それを目標として頭の中に置いておき、人生の次の段階に向かう時、悩む、迷う時、よりポジティブな態度で向き合えるのだろう。

今、留学中の私は出会いの大切さをしみじみと感じている。違う国籍、年齢層、職業、生活スタイルの人と触れ合い、自分との違いを受け止めながら、彼らの価値観、人生観の影響も受けている。今、自分の変化はなかなか実感できないかもしれないが、長い目で見れば、この一年間は少なからず自分の人生に影響を与えるのだろう。そして、私もまた次に出会う人にその影響を及ぼすのだ。

小説の最初に、小夜子の「私って、いつまで私のまんまなんだろう」という心細い気持ちが描かれているが、最後の章に、小夜子の「何のために年を重ねるんだろう」という問いに、自ら見つけた答え、「年齢を重ねるのは、出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。」という段落を読んで非常に同感だ。人生の面白さはまさにそこのところにあると思う。

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